こんにちはラボサラです
私は、株式投資の約40%「ハイテク株」に投資しています。
「半導体・ハイテクが今後も伸びる!大丈夫だ!!NASDAQ100に投資しよう!!」と、思っている人も多いのではないでしょうか?
おっしゃる通り、今後は「従来のハイテク産業」だけでなく、自動運転技術など「新たなハイテク分野」で、大量の半導体が必要とされています。
半導体の技術進歩と切っても切り離せないワード・・・
それが 半導体の『微細化』 です。
半導体の『微細化』について理解を深めることで、自身の投資戦略に生かすことができます!
この記事の構成は以下の通り
・半導体の『微細化』 :半導体微細化のメリットがわかります
・近年の『微細化トレンド』:今後の微細化トレンドがわかります
・まとめ :本記事の内容をすぐ確認できます
※ハイテク株・半導体銘柄に投資する判断材料になるかもしれません
こんな方に読んでいただきたい
・NASDAQ100などハイテク株に投資している人

それでは、本題に入っていきましょう!
半導体の『微細化』
そもそも半導体とは?

そもそも半導体ってナニ??
パソコンとか携帯電話に入っている何か??

半分「正解」、半分「間違い」です
半導体とは、一定の電気的性質を備えた物質です。
物質には電気を通す「導体」と、電気を通さない「絶縁体」とがあり、半導体はその中間の性質を備えた物質です。
また半導体とは、トランジスタ、ダイオードなどの素子単体(ディスクリ-ト半導体部品)や、トランジスタ等で構成される回路を集積したIC(集積回路)を総称したものを示すことも多くあります。
日立ハイテクHPより引用
つまり、半導体は『導体と絶縁体の中間の物質』を指します
- 導体 :電気を通す(金属など)
- 半導体:電気を流したり流さなかったりする(シリコンなど)
- 絶縁体:電気を通さない絶縁体(ゴムなど)
半導体の何がすごいかというと、
『意図的に』電気を流したり、止めたりできる!
銅線のように、タダ電気が流れるだけではデータを溜めたり、演算したりはできません。
半導体特有の「電気を操作できる特性」を利用して作ったのが、
今や半導体は、身の回りの多くのものに使われている
半導体が使われるところ(具体例)
- スマホ
- パソコン
- テレビ
- エアコン
- 洗濯機
- 冷蔵庫
- 自動車
- 電車
- LED電球
今や、半導体無しでは生活が出来ません。
もっと詳しく知りたい方は、こちらの本がおすすめ:よくわかる半導体
半導体の『微細化』とは?

紹介している本にも『微細化』と大きく書かれているけど、
『微細化』って何なの??
『微細化』すると、何か良いことあるの??

半導体の最重要ワード『微細化』に気付きましたね!
まず、1つ目の「微細化ってなに??」から説明します
もう少し、詳しく言い換えると、
半導体の構成する『配線と配線の幅を小さくし、素子そのものを小型化すること』

みなさんがイメージしやすいよう『半導体の微細化』によって、
大きく変化した『携帯電話』を具体例として見てみましょう
<半導体の進化>
1980〜1990年台:ショルダーフォン | 2021年現在:スマートフォン |
重量:約 3 kg | 重量:約 200 g |
![]() | 出典:apple.com |
30年で携帯電話は、大きく進化しましたね。
この進化を可能にしたのが、チップそのものを小さくする『半導体の微細化』です。
半導体『微細化』のメリット

二つ目の質問
『微細化』のメリットについて解説します
半導体の『微細化』するメリットは、大きく2つです
・性能向上
それぞれについて解説します。
1. コストダウン
半導体メーカー各社が『微細化』を進める大きな理由が『コストダウン』です
微細化によって、1つの原材料(ウエハ)から取れる製品チップの数が増加します
つまり、
<微細化によるコストダウンの例>
出典:EDN Japan
左:ウエハ1枚から49個のチップが取れる
(微細化で50%の縮小できると・・・)
右:ウエハ1枚から220個のチップが取れる
⇨同じ原価(加工費)でチップが、増えれば増えるほど、コストダウンに繋がりますね
2. 性能向上
性能向上については、3つに分けて解説します
①小型化
②処理速度
③消費電力
<小型化>
微細化が進むことで、チップそのものが小さくなります。
その結果、iPhoneといった製品自体を小型化することができるようになります。
また、半導体を小型化することで、特定の面積に乗せられるチップ数を増やすことができます。
つまり、小さくなった分、チップを増やすことで性能向上することができます。
<処理速度>
続いて、処理速度向上のメリットについて、解説します

微細化されることで、1つのチップを電気が通る距離が短くなります。
これが、処理速度向上に大きく寄与します!

電気が流れる距離・・・処理速度・・・
電気って一瞬で流れるのじゃないの??

もちろん、人間が知覚できるような速度ではありません。
しかし、光や熱と同じように、電気にも流れる速度があります
(専門的には移動度という)
つまり、微細化を進め、
<消費電力>

なんで??
チップが小さくなると、消費電力が小さくなるのかしら?

中学校で習う『ジュールの法則』がポイントです

ジュールの法則??中学校で習ったかしら・・・
そんな昔のこと覚えてないわ
先ほど、『電気が流れる距離が短くなる』と説明しました
速度が一定とすれば、距離が短くなるほど・・・時間が短くなります
つまり、
これだけ覚えれば大丈夫!!
色々と、微細化のメリットを解説してきましたが、これだけ理解できれば大丈夫です!
『微細化』トレンドと注目個別株
近年の『微細化』トレンド
良いこと尽くめな『微細化』を突っ走る最先端半導体メーカーは3社あります
・Samsung(韓国)
・Intel(米国)
Intelが微細化競争から脱落しつつある
2015年ぐらいから、誰もが「Intel入ってる」で知っている
Intelが、微細化競争に遅れを取りはじめ、2年ほど技術開発が遅れています。
IntelのCPUを使い続けていた「Apple」は、
2020年 独自設計した『M1チップ』をTSMCの最先端工場で製造に切り替えた
みなさんご存知の通り『M1チップ』は大幅な性能UPを達成しました
今後は、より一層「TSMC」と「Samsung」が微細化競争を引っ張る
Intelの微細化競争からの脱落を受け、「TSMC」と「Samsung」の一騎打ちになると考えられます。
新規参入が難しい理由:半導体製造には巨額な投資が必要
2021年度の設備投資額(予想)
- TSMC :280億ドル(約2.9兆円)
- Samsung :280億ドル(約2.9兆円)
- intel :200億ドル(約2.1兆円)
半導体を製造するための施設・装置は、年々巨額になりつつあります。
ちょっと技術力がある企業では、資金を確保することができず、そもそも太刀打ちできないのが現状です。
また、TSMCの微細化は『2025年までスケジュール化』され、公表してます。
この先5年分に関しては、すでにシーズがあり、何かしらの技術的な打開策がある可能性が高いです。
つまり、
と予想します。
注目の半導体銘柄
※投資は自己責任でお願いします
TSMC:世界最大のファンドリメーカー
やはり外せないのが、TSMCです。
特徴②:微細化技術で最先端
なぜSamsungではなく、TSMCをオススメする理由
- TSMCの方がやや1歩リードしている
- Samsungは携帯など様々な事業をしている(≒ファンドリー専門じゃない)
例えば、AppleがSamsungにチップ製造を外注すると、ライバル会社に技術を盗まれかねないです
そのため、受注生産専門のTSMCの方が、今後も成長が期待できます。
ASML:微細化に必須な技術を「世界で唯一」持つ半導体製造装置メーカー
もうひとつオススメの銘柄が「ASML」です
特徴②:独占している装置(EUV露光装置)がバカ高い(1台200億円以上)
微細化に必須な装置(EUV露光装置)は、今後も出荷台数が売り上げ予想です。
さらに
今後は、TSMC・Samsungだけじゃない!さらなる伸びが期待できます!!
今後は、「諦めないIntel」「中国の半導体メーカー」「メモリの1種であるDRAM」も、ASML手掛けるEUVを導入すると言われています。
- Intel(米国):TSMCとSamsungに追いつけるか!?
- SMIC(中国):現状は米中摩擦が課題で購入できないが、今後は??
- Micron(米国):DRAM(メモリ)企業から頭ひとつ抜けることができるか!?
- SK Hynix(韓国):Intelのメモリ事業買収で波に乗る。DRAMで世界トップなるか??
まとめ
微細化のメリットは2つ
・コストダウン:1枚のウエハから取れるチップの数が増える≒収益性向上
「TSMCの開発スケジュールにも2025年まで描かれている」ことから、今後5年は半導体の微細化が進むと予想しています。
微細化に伴い、今後も成長が見込まれる『ラボサラ注目企業』は2つ
・ASML:微細化に必須な技術を「世界で唯一」持つ半導体製造装置メーカー
今後も情報収集しつつ、トレンドを見極めて、
半導体に投資すべきなのか判断しながら、資産運用していきたいと思います。
以上
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